«お悩み» 僕から離れていった彼女との体の関係が忘れられません。妄想と嫉妬心に心を奪われ、ビジネスに集中できないのです。
Sensory レベルの執着心
Sensoryレベルの執着心の扱いは、難しいです。これまでの治療経験からの私見ですが、肌の触れ合いなどのSensory レベルの執着心を、認知力を使うABCモデルを当てはめて、柔軟思考に変えてみても、問題は解決しない様です。これは、addiction全般に、当てはまります。
執着心をどうすることもできません
この方は、今の状況のままではビジネスを失いかねないことも。この女性との関係がご自身にとっては悪縁であることも。一緒になって家庭を築ける女性ではないことも。すでに、十分、ご存知でした。
でも、ご自身の中に湧き出る妄想や、彼女への執着心をどうすることもできないとおっしゃいます。
私が取った苦肉の治療策
日本の近代の仏教は妻帯が当然で、ご子息が住職を継ぐという特異な形態をとっているのですが、チベットやタイなどの仏門にある僧侶は、当然の事として独身。肉体の欲をしっかりと、克服されているのです。ですから、肉欲の苦しみから解放される瞑想法を明記したテキストも存在します。
彼女の体は糞袋
かつて、論文を書いた時に読んで、当時の私には、その根底にある意味合いが分からず、思わず???となった不可思議な詩が織り込まれているのが、こちらの書籍。菩薩道の本に、肉欲の苦しみから解放される瞑想法が明記されていたことを思い出しました。
Shatideva著 “A Guide to the Bodhisattva’s Way of Life”(IBAN: 81-85102-59-7)。第8章 Meditation。ここを彼に読んでいただき、実際に瞑想を致しました。
この瞑想法は、女性の体に執着している苦悩の解毒剤として、執着している対象物の魅力のない特性に意識を集中するという瞑想法です。
現代の心理療法にかけている部分
Jon Kabat-Zinn博士が1979年来、科学者として多くのエビデンスを論文として残してきたマインドフルネスの医療分野での効果。もとをたどって行くと、辿り着くのは、鈴木大拙先生・道元禅師・ブッダの法と2600年近く遡のぼる訳です。
Jonは何度も、繰り返し、おっしゃいました。
So many people now call their treatments as mindful-based-xxxxx, it might be good and could be useful for some, but without Buddha Dharma, there is no Mindfulness. It is not Mindfulness.
Direct communication with Prof. Jon Kabat-Zinn.
彼の言う Mindfulnessの概念を固めるために仏教関連の御本を、かなり読みました。人間の苦悩とその解消を目指す方法論の一つとして、さりげなく、さらっと読んだ書籍でしたが、こういうアプローチがあるのだと印象深かった部分。
この様な形での瞑想が、現代でも、執着心を消すきっかけになることに、改めて、仏教哲学の奥深さを感じました。
感覚レベルの執着心は腑に落ちないと解決しない
執着の対象・直面している苦悩の対象物である彼女の肉体の本来の姿、その本質を、しっかりと理解することが、この方の執着心を取り除くために必要でした。それは、Disputationを使い、彼の思考に焦点を当てた理由付けでは、体の感覚系が理解しないからです。
日常生活の機能的な行動を妨げる彼女の真の姿を理解することで、分かったふりをするのではなく、その本質を腑に落ちて理解して初めて、その執着心が解けてくる。この形の感情マネジメントは、恐らく、どの形態のaddictionにも効果があると思います。
最後に
かけ事やアルコール中毒、タバコも含め、addictionによる執着心は、大切な人生の日々を、悪しき方向へ引きずり落として行く、恐ろしい力を持っています。
問題に気づけば、私達はいつからでも、方向転換して、執着という根強い感情をマネージできます。大切な人生を、本来のあるべき軌道に戻す事ができます。
決してあきらめないでくださいね。