イジメを防ぐ!心理療法士がイジメの定義と解決策を提案します。

感情マネジメント

«イジメ»

神戸市須磨区の教員。悪質なイジメ問題が報道されています。加害者は30~40代の教員4人。品性のない、人間性の低い教員が、大切な子供達の教育に当たる。いじめをなくそうと取り組む学校現場で、後輩教員をいじめるなど、想像だにできない出来事です。

いじめられるほうも悪い。という方々がいますが、それは有り得ないと考えます。

いじめている方の人間性が低い。いじめている方が悪いのです。

どこからがイジメになるの?イジメの定義は?

子供達だけでなく大人のイジメ問題。エゴにとらわれがちなのが、私達、人間の性ですが、一体、人と人の関係、どこからが、イジメになるのでしょうか。

WHO(世界保健機関:World Health Organization)は、”Prevention of bullying-related morbidity and mortality: a call for public health policies”という報告書の中で、イジメを以下の様に定義しています。

Bullying is a multifaceted form of mistreatment, mostly seen in schools and the workplace. It is characterized by the repeated exposure of one person to physical and/or emotional aggression including teasing, name calling, mockery, threats, harassment, taunting, hazing, social exclusion or rumours.[1],[2] A wide range of bullying prevalence has been documented among students and in labour forces worldwide.[3],[4]

引用元:Bulletin of the World Health Organization 2010;88:403-403. doi: 10.2471/BLT.10.077123

自尊心を損なわせることを目的とした、揶揄・侮蔑・罵り・嘲笑い・脅迫・嫌がらせ・侮辱・しごき・仲間はずれ・不快なゴシップなどを含む悪意のある企てによって、一人の人間に対し、繰り返される、肉体と感情に対する侵害・不快な虐待行為。

何らかの立場における強者から弱者に対する身体的・精神的な攻撃がイジメ。学校だけでなく、職場でもイジメの問題が散見され、強者が集団で弱者をいじめる。情けないけれど、これが、現実です。

[1]Olweus D. Norway. In: Smith PK, Morita Y, Junger-Tas J, Olweus D, Catalano R, Slee Pl, editors. The nature of school bullying: a cross-national perspective, 1st edition. London: Routledge; 1999. p. 31.

[2]Einarsen S, Hoel H, Zapf D, Cooper CL. The concept of bullying at work. In: Einarsen S, Hoel H, Zapf D, Cooper CL, editors. Bullying and emotional abuse in the workplace: international perspectives in research and practice, 1st edition. London: Taylor and Francis; 2003. p. 6.

[3]European working conditions survey: violence, harassment and discrimination in the workplace. Dublin: European Foundation for the Improvement of Living and Working Conditions; 2005. Available from: http://www.eurofound.europa.eu/docs/ewco/4EWCS/ef0698/chapter4.pdf [accessed 5 May 2010].

[4]Due P, Holstein BE, Soc MS. Bullying victimization among 13 to 15-year-old school children: results from two comparative studies in 66 countries and regions. Int J Adolesc Med Health 2008; 20: 209-21.

 

心理療法で見る四諦八正道がイジメを防ぎ加害者を救う!

いじめの起きない学校や、職場を作るためには

  • 校則も
  • 社則も
  • 条例も
  • 法律も

人の心に響いたり、人々の心を律する礎になることは、まず、ないでしょう。

私は、仏教徒ではありませんが、人間性の問題を問うには人としての道を学ぶ。哲学や心理学としての四諦八正道に戻らざるを得ない。そう、考えています。

  • 他者の苦しみを感じ
  • できる事をさせて頂く
  • 思いやりの心をもつ
  • 執着を離れ、極端を避けた中道を生き、他者に尽くす事を心に置いた生き方。

つまり・・

自分への拘りや執着から解放され、他者を思える慈悲の心をもって生きる

人としての生き方を示す指針が、八正道。加害者の教員には、ご自身の為に、是非、『人としての道』を深く学んで、これからの生き方を考えていただきたいものです

はじめに、人生の苦についての考察です。

心理療法の視点からみた四諦

Diagnosis  状況・容態を観察し診断

The Truth of Suffering(苦諦):人間の苦しみ。人生は苦(パーリ語ではドゥッカ、dukkha)に満ちている。

人間の苦しみを説明するために、なぜ人間は苦しんでいるのか、なぜ人間は不満や悩みに苦しむのか。四苦八苦や人間的な欲望・苦悩が存在します。

Etiology  病いの原因・病因を解明

The Truth of Cause(集諦):苦しみの原因

Impermanent:全ては、一瞬一瞬、変化を重ねるエネルギー。宇宙存在そのものも永久的なものではなくて、ひとつの波動であり、変化を続ける。無常そのものが、存在。

人は、自分が思いこんだ概念・信念・考え方を強く信じ、執着して生きているので、自分は正しい。相手は間違っていると考えがちですが、そのルールは、個々人の経験に基づいた思考にすぎません。全てが常に移り変わっているということ以外、絶対的なルールなど、実はないのです。自己の思考への拘りこそが苦の原因です。

Prognosis 医学的健康状態を予測

The Truth of Cessation (滅諦):苦しみを滅することができるという真理

生活習慣・思考習慣を整え、日々の修習を継続。心身・感情・行動の健康を整えることで苦しみを消すことができます。

Treatment 治療方法

The Truth of Path(道諦):苦しみを滅する方法。中道を生きる八つの道、The Eightfold Path(八正道)

因縁:自分の思考・言動には、自分が責任を持つ生き方。自分の苦しみは自分が作るもの、幸せも、人や環境に与えられるのではなく、自分自身で感じとるものです。

 

次回は、心理療法の視点からみた八正道に続きます・・・