«R氏» 数ヶ月前、初めてお会いした時には、かなりはりつめた空気が漂っていました。心に焦りがあり、緊張している時には、体もコチコチに緊張します。体が緊張している時には、心も相当に緊張しているものです。初対面でしたが、彼の痛みが伝わり、静かに背中をさすってさしあげました。体に触れられることで、彼の体の緊張がぬけてゆくと感じたからです
僕は体を過信し、無理をしすぎてしまった
医療に携わるR氏・・
♦ 『健康に関わる仕事をしているのに、自分の体を過信して、無理をしすぎてしまった』彼は、がんのchemotherapy(化学療法)を受けていらっしゃいます。化学療法は抗がん剤が血液の流れに乗って、全身の隅々まで行きわたり、がん細胞を攻撃・破壊するために、副作用も全身に及ぶ辛い治療法だそうです。
自然治癒力をつかう
治療法1:自然の息吹を感じる
自然の中に身を置いて、自然の息吹を感じながら、心と体を癒しています。
- 森林の香りを楽しみながら、爽やかな空気と共に、大気中のプラーナを体の中に取り込んでゆく
- 清らかな川の水に触れてみる
- 暖かい日差しを全身に受け、両腕を上に伸ばして太陽のエネルギーを全身で深く吸い込み・吸収する
- 心地よく肌をなでる風をたのしむ。
37兆個の細胞に酸素やエネルギーが行き渡り、とても心地よいものです。
治療法2:動きのある瞑想で自律神経を整えてゆく
体を、動きのある瞑想=マインドフル・プラーナ・ヨーガと呼吸法で、整えてゆきます。体の声を聞くことができるのは、広い世界に、あなたしかいません。
呼吸に合わせ、ゆったりとした動きで行うマインドフル・ヨーガで、健康な方は益々、健康に。怪我や病気の方はその回復が早まるのは、なぜなのでしょうか?
それは、呼吸に合わせ体を動かすアーサナは交感神経を刺激。リラックスのポーズは副交感神経を刺激。この2つの動作を、交互に行うことで、自律神経のバランスが戻り、免疫力が高まるからなのです。これは、故安保徹教授の免疫学の研究の著書[注1]や、精神医学界の論文[注2]で検証されています。
体の声を聞きながら自律神経のバランスを回復、真のリラックスを体験。緊張がすっかりほぐれ、こころとからだの一体感が訪れる。最後の寛ぎのポーズで、いびきをかいて寝てしまう方もいらっしゃる程、深いリラックス状態です。
[注1] Abo, T. (2007). Your immune revolution. New York: Gaia Holistic Inc.
[注2] Bray, J. (2011). The wisdom of the body. Therapy Today, 22, 1, 10-16.
治療法3:マインドフル・イーティングのすすめ
何気なく、口にしている『いただきます』
サラダに使った生トマトの種をコンポストに蒔けば、1週間程で小さな新芽がでてきます。命の力って、感動するほど、素晴らしいもの。私達は、動物やお魚だけではなく、植物の命をも、いただいて、命をつながせていただいています。
R氏はスーパーで買ったサンドイッチを、仕事の隙間にcokeで流し込む。夜はTakeawayが中心の食生活でした。
♥ オーガニックの野菜を中心とした軽い夕食で、野菜を育てた方・輸送された方・販売された方・食事を用意された方・そして食材そのものの命。感謝をしてゆっくりと、1口30回噛むつもりでいただく。この習慣をおつたえしました。
もし、あなたが、仕事をしながら、デスクで昼食をとる。PCのスクリーンを見ながら、電話を取りながら、食べ物を口に放り込んでしまう事があるなら、30分でも、しっかり昼食の時間を確保して、1口30回噛むつもりで、お食事を召し上がってみて下さい。胃腸への負担も軽減され、簡単にできる健康法です。
治療法4:眠れない悩みを解消する
多くの方々が不眠や睡眠障害で、苦しんでいらっしゃいます。
- ベッドに入っても考え込みが止まらない。なかなか寝付けない
- やっと寝ても、途中で目がさめてしまう
休むべき時に頭が働きすぎでは、疲れはとれません。体と頭の疲れをすっかり癒すには、どうしても、深い眠りが必要なのです。辛い考えこみが消え、ベッドに入ると、ストンと心地よい深い眠りに落ちる。眠れないお悩みを解消する大切なポイントがあります。
- 夜はニュースを見ない。聞かない。読まない
- 五感を使った入浴瞑想
- 寝る30分前には、PC、携帯、テレビの電源をすべて切る
- 感謝の祈りで眠りにつく
入浴瞑想の詳しいやり方についてはこちらをご参照ください
1日、何事もなく無事に過ごせた感謝の祈りと、入浴瞑想で寛ぎ・温まった体でベッドに入る。これだけの事ですが、ぜひ、TRYしてみてください。きっと、ゆっくりとお休みになり、爽やかな朝が訪れることでしょう。
ベッドの中での感謝の祈りは、お好きな言葉をお使いください
ご参考まで・・・
今日も1日、健康で、何事もなく、無事に過ごすことができました。ありがとうございます。私はますます健康で、幸せです。
- 離れて暮らす家族、そして、今日お会いした方々が、健康で幸せでありますように
- ご縁のあった皆様が、健康で幸せでありますように
- 世界中の方々が、少しの間でも心の平穏を得て、健康でありますように
- 生きとし生けるもの全てが、穏やかな時を過ごせますように
最後に:予防が一番!
Jon Kabat-Zinn博士が、良く使うPhraseが
“As long as you are breathing, there is more right with you than wrong with you, no matter what challenges you are facing”
“As long as you are breathing, there is more right with you than wrong with you, no matter how ill or how hopeless you may feel”
失敗や失恋したから死にたい。ガンの宣告をうけたから先がないと、こころは失望感に満ち溢れても、体は、呼吸を続け、絶え間なく、生体としての私たちを支え、自然治癒力を使って、なんとか、元気を取り戻そうと頑張ってくれます。
誰に、指示を受けることもなく、コツコツと、それぞれのお役目を果たしてくれる細胞たち。私達人間は、大怪我をしたり、病に伏せたり。大変な経験を経ないと、その有り難さに気がつかない。大切なからだを労わる事ができないのです。
最高の治療は予防です!
今、この時の限界に気づく事ができれば、その限界を超えることなくなるので、病や怪我を防ぎ、健康を守って行けます。
からだと一緒に生きる。概念は分かっても、実践は難しいものですね。上述の治療法は病だけではなく、感情マネジメントのツールそのものなので、是非、練習をして、習慣にしていただければと、思います。